中谷は芸術と科学の協働を推進する実験グループ「E. A. T.」に参加し、その活動の一環として1970年の大阪万博ペプシ館にて、人工の霧を大量に発生させる「霧の彫刻」を初めて発表した。その後、世界各地で人工霧を用いた作品を手がけ「霧の彫刻家」として世界的に知られている。80作品を超えるインスタレーションやパフォーマンスなどの形で世界各地で制作された「霧の彫刻」は、鑑賞者を刻々と変化する自然との対話へと誘い、霧の持つ変幻自在な性質で人々を魅了し続けている。
作家プロフィール
中谷芙二子
Fujiko Nakaya
1933年札幌市生まれ、東京を拠点に活動。芸術とテクノロジーの協働を推進する実験グループ「E. A. T.」に参加。大阪万博にて「霧の彫刻」を発表。以降、世界各地で霧を用いたインスタレーションを発表してきた。1980年に「ビデオギャラリーSCAN」を設立し、日本の若手ビデオ作家の発掘と支援に尽力した。