作品について
あした死ぬには、
Ashitashinuniwa, (If I might die tomorrow,)
40代を迎えた女性たちが、仕事、人間関係、そして心身の変化について向き合う物語。42歳独身、映画宣伝会社に勤め、ハードワークをこなす本奈多子。発汗や苛立ちなどが続き、更年期障害を疑い始めた多子は、ある夜、激しい動悸と体の冷たさに危機感を覚え、救急車を呼ぶことに。もう若くないという事実を嚙みしめると同時に、これからの人生をどう生きるべきか、多子は考え始める。一方、多子の中学時代の同級生・小宮塔子は、大学生となる娘もいる専業主婦。夫の上海転勤を機に始めたパートで、客からの「おばさん」という呼びかけにショックを受けるが、同時に同じ職場の20歳の青年を意識し始め、相談相手を求めて久々に多子に連絡を取ることになる。そんな折、多子は、仕事関係の知人の有岡から、ガンで余命宣告をされたことを打ち明けられる。人生の折り返し地点とも言うべき40代を生きる人々の感情を、細やかなディテール描写と詩情豊かな独白とともに描く。