文化庁メディア芸術祭 京都展

文化庁メディア芸術祭京都展

Japan Media Arts Festival in Kyoto POETRY FOUND BY SCIENTISTS Eyes for the world
科学者の見つけた詩−世界を見つめる目−

文化庁メディア芸術祭 京都展

文化庁メディア芸術祭京都展

Japan Media Arts Festival in Kyoto POETRY FOUND BY SCIENTISTS Eyes for the world
科学者の見つけた詩−世界を見つめる目−

NIGHT LESS
田村友一郎

第14回アート部門優秀賞(映像作品)
©Yuichiro Tamura ©Google
映像、11分36秒
2010年
作品について

NIGHT LESS

全編がGoogleストリートビューのイメージだけで構成されたロードムービー。ネブラスカ、千葉、アラスカ、ポルトガル、マルセイユを舞台に国を越えて物語は繰り広げられていく。そこには決して夜は訪れない。前半は作家本人のアフレコ、後半はYouTubeの音声などを使用して構成。撮影せずにつくられた映画は、果たして「映画」といえるのだろうか。
作家プロフィール

田村友一郎

Yuichiro Tamura
1977年富山県生まれ、京都府を拠点に活動。土地固有の歴史、身近な大衆的な要素を扱い、現実と虚構を交差させる多層的な物語空間をインスタレーションやパフォーマンスの形式で発表している。釜山ビエンナーレ、横浜トリエンナーレなど数多くの国際展やグループ展に参加している。
贈賞理由

第14回アート部門優秀賞

webメディアの現在を精巧につかんだ作品
地上約2.45メートルから撮影されたパノラマ映像が、都市を変えながら、前へ前へとひたすら進んでいく。映像の中で交わされる言葉は、画面上の景色とは直接関係を持たない。しかし、偶発的に起こる言葉と風景の間断のない接触により、おしゃべりを楽しみながらドライブしているような不思議な映像が生み出されている。やがて見慣れた風景が出現すると、もはやこちらも映像とは無関係なままではいられず、強引に引き込まれていくような感慨に捕らわれた。ある意味では、Webメディアの現在を非常に精巧につかんだ作品である。 『NIGHT LESS』とはGoogleストリートビューが昼間にしか撮影できない仕組みのため、この作品にも必然的に夜が存在しないことに由来する。その点をタイトルに入れる洒脱さもこの作品の背景にある感受性を象徴している。
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