テクノ音楽曲のプロモーション映像として作成された本映像は、もはや作品の一部として映像本来の力を放っており、そしてそれが曲と融合して新たな作品性をもつにいたっている。 電気グルーヴによる作品は、これまでも常にメディア芸術祭の審査会を楽しませてきたが、今回の映像はこれまで以上に、見る者の目を引きつけて離さない作品だった。 紙面でその時間軸の見事なまでの使いこなし術を紹介できないのは残念だが、誰しもが見たことのある、それでいて、決して見ることのできなかった、素朴で力強いデジャヴの原風景を私たちの目前にたたきつきつける作品である。