文化庁メディア芸術祭 京都展

文化庁メディア芸術祭京都展

Japan Media Arts Festival in Kyoto POETRY FOUND BY SCIENTISTS Eyes for the world
科学者の見つけた詩−世界を見つめる目−

文化庁メディア芸術祭 京都展

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Japan Media Arts Festival in Kyoto POETRY FOUND BY SCIENTISTS Eyes for the world
科学者の見つけた詩−世界を見つめる目−

卵を立てる
中谷芙二子

第12回功労賞
©︎Fujiko Nakaya
ミクストメディア・インスタレーション
1974年
作品について

卵を立てる

Standing an Egg
戦後間もない頃、立春の日に卵が立つという話が世界中で話題となった。中谷芙二子の父である物理学者、中谷宇吉郎はこの現象について「立春の卵」というエッセイを書いている。本作は、このことを題材にした映像作品《卵の静力学》を使ったインスタレーションである。卵を立てる映像が流されている前で、実際に卵を立てることを試すことができるようになっているのだが、映像の中で立てられる卵に驚きつつも、一方で何かトリックがあるに違いないと勘ぐる人もいるだろう。また、本作では卵を立てようとする作曲家の小杉武久の映像が使われており、音楽もタージ・マハル旅行団によるものである。
作家プロフィール

中谷芙二子

Fujiko Nakaya
1933年札幌市生まれ、東京を拠点に活動。芸術とテクノロジーの協働を推進する実験グループ「E. A. T.」に参加。大阪万博にて「霧の彫刻」を発表。以降、世界各地で霧を用いたインスタレーションを発表してきた。1980年に「ビデオギャラリーSCAN」を設立し、日本の若手ビデオ作家の発掘と支援に尽力した。
贈賞理由

第12回功労賞

中谷芙二子さんは、1960年代から今日にいたるまで、さまざまな作品を制作してきたアーティストだ。霧の彫刻のシリーズや、情報彫刻『ユートピアQ&A 1981』。映像作品としては、1972年に小林はくどう氏との共同制作の『水俣病を告発する会―テント村ビデオ日記』、『老人の知恵―文化のDNA』など、活動の範囲は多彩だ。そのなかでも忘れてならないのは、1980年に原宿に開設されたビデオギャラリーSCANでの活動である。日本で唯一のビデオアート専門ギャラリーとして、国内外の作品の紹介や、1981年からは公募展などを主催し、数多くの映像作家がここから巣立っていった。このビデオアートを根底から支えていった活動は称賛に値する。
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